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SANKYO KOGAKU 三共光学工業株式会社

光学の基礎

赤外線光学系

赤外線とは

ここでは赤外線についてふれてみようと思います。

まず"赤外線"の定義ですが、

① 分光学的定義によると
0.75~2.5μm・・・近赤外
 →ガラスプリズムで分光でき、分子の基準振動の倍振動や結合振動の現れる領域
2.5~50μm・・・・・中赤外
 →人工プリズム(KBr)で25μm分光でき、主に分子の基準振動の現れる領域
 →CsIのプリズムにより50μmまで可能となった
50μm以上・・・・・・・遠赤外

② パッシブ(受動方式)分野及びアクティブ(能動方式)分野での定義によると
大気の窓:0.75~2.5μm帯
3~5μm帯・・・比較的高温物体のセンシングに適
8~14μm帯・・常温近傍の物体のセンシングに適

※大気の透過率はH2O分子とCO2分子それぞれの透過率の積として計算されます。2.5μm以下は太陽の反射、3~5μmは太陽の反射と地表面からの赤外線放射の合成、5μm以上では地表面からの赤外線放射が主になるようです。



ハドソン   ~ 3μm:近赤外領域
       ~ 6μm:中赤外領域
       ~15μm:遠赤外領域
       15μm≦:極遠赤外領域

スミス   0.75μm~1.5μm:近赤外領域
      1.5μm~10μm :中赤外領域
      10μm~1mm  :遠赤外領域

③オルフェールによると
 赤外領域:0.76μm~1mm
 工業応用としては 0.76~10μmで
      0.76μm~2μm:short IR
      2μm~4μm:medium IR
      4μm~10μm:long IR

というように、いろいろな定義があることがわかります。

光学系について

赤外光学系にもこれまで紹介したように屈折系、反射系、反射屈折系があります。

屈折系

赤外線を透過する材料しか使えないという制約はあるものの、レンズを用いて結像させることができます。
これらの材料として蛍石(CaF2)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ジンクセレン(ZnSe)、ジンクサルファイド(ZnS)、サファイア(Al2O3)などがあります。
色収差補正を考慮してSiレンズとGeレンズを組み合わせて使う場合があります。参考までにSiとGeの透過率特性データを載せます。
〔Si〕
〔Ge〕


反射系

材料として透過材料を使う必要がないので、環境に合う材料が選べます。反射鏡の長所は色収差がないので、可視光から赤外線の波長域で同一のものが使えることです。
短所は視野を広くとりにくい(光軸から離れるに従ってコマ収差が増える)ことです。

反射屈折系

色収差を補正するとともに広視野を実現させる光学系です。
カタディオプトリック系のように光軸方向に小型にすることができます。
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