(第5回)


  ここまでの内容では「光」を身近な現象を基にしてとらえることで、いろいろな性質
  が理解できました。ここからは、光がレンズやプリズムを透過あるいは反射すること
  を利用した、いろいろな機器・装置について探ってみることにします。


1. 単レンズの概要

1−1.単レンズの種類
    単レンズは大きく分けると凸レンズと凹レンズがあり、凸レンズの焦点距離
    は正(プラス)、凹レンズの焦点距離は負(マイナス)になります。
    凸レンズには光を集める働きがあり、凹レンズには発散する働きがあります。


   いま、厚みを考えないレンズ(薄肉レンズ)で焦点距離fを求める基本的な例を
  あげてみましょう。

  A.平凸または平凹レンズの場合
    1面が平面のレンズで、曲率半径をrとすると
              r
      焦点距離f= ------         (平凸レンズ r>0)
             n−1        (平凹レンズ r<0)
   
      ガラスの屈折率をn≒1.5とすると
   
       f=2r

   となり、焦点距離の値は曲率半径の約2倍となります。

  B.曲率の等しい両凸または両凹レンズの場合
               r
          f=------------      (両凸レンズ r>0)
             2(n−1)        (両凹レンズ r<0)
   n≒1.5とすれば
          f=r
   焦点距離は曲率半径にほぼ等しくなります。

2. ルーペ(虫めがね)の概要
      ルーペは物体の拡大された像−虚像−を作り、これを肉眼で観察することになります。
      簡単のためルーペを1枚の薄肉凸レンズとします。



    

      物体PQをルーペの前側焦点Fのやや内側(レンズ側)に、光軸に垂直におくと、像は
      拡大されてレンズの前方にP'Q'となります。この像は虚像かつ正立像となります。
      目はこの像をみて拡大されたと感じます。
      目の位置をルーペの焦点位置に一致させた場合の倍率は、
                 mo=250/f
      となります。ここで250mmという距離は、古来よりあまり疲労せずによく見える距離
      ということで、明視距離とよばれます。

3. 望遠鏡系
      2枚のレンズがともに凹レンズの場合を除き、レンズの間隔を適当に選ぶと望遠鏡
      となります。

      a.ケプラー型望遠鏡

     2枚の凸レンズを用いる望遠鏡系は、倒立型の望遠鏡になります。
     2つの凸レンズの間に正立プリズムを置いて像を正立させ、プリズム双眼鏡として
     使われています。
     ケプラー型の望遠鏡や双眼鏡(プリズム双眼鏡)では、商品やカタログに光学特性
     を表示する際に、
     倍  率  ×  対 物レンズ有効径    視界
     の様に表わします。例えば、
     8 × 30   7.5°(倍率8倍、有効径30mm  視界7.5°)
     ということです。

     b.ガリレイ型望遠鏡

     凸、凹レンズを用いる望遠鏡は、正立型の望遠鏡となります。
    この構成は倍率が低いため、オペラグラス等の手軽な双眼鏡に用いられます。
    ガリレイ型望遠鏡を逆にした、凹、凸レンズの配置にした望遠鏡系があり、
    逆ガリレイ型として主にカメラのファインダーに用いられます。

次回へつづく・・・。

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