(第30回)
8.赤外線光学系

 8−1.赤外線とは
 ここでは赤外線についてふれてみようと思います。
 まず"赤外線"の定義ですが、
  @   分光学的定義によると

    0.75〜2.5μm・・・近赤外
    →ガラスプリズムで分光でき、分子の基準振動の倍振動や結合振動の現れる領域

    2.5〜50μm・・・・・中赤外
    →人工プリズム(KBr)で25μm分光でき、主に分子の基準振動の現れる領域
    →CsIのプリズムにより50μmまで可能となった

   50μm以上・・・・・・・遠赤外
 
  A   パッシブ(受動方式)分野及びアクティブ(能動方式)分野での定義によると

    大気の窓※:0.75〜2.5μm帯
    3〜5μm帯・・・比較的高温物体のセンシングに適
    8〜14μm帯・・常温近傍の物体のセンシングに適

   ※大気の透過率はH2O分子とCO2分子それぞれの透過率の積として計算されます。
    2.5μm以下は太陽の反射、3〜5μmは太陽の反射と地表面からの赤外線放射の
  合成、5μm以上では地表面からの赤外線放射が主になるようです。

    ハドソン→  〜 3μm:近赤外領域
           〜 6μm:中赤外領域
           〜15μm:遠赤外領域
          15μm≦:極遠赤外領域

    ス ミ ス→  0.75μm〜1.5μm:近赤外領域
                 1.5μm〜10μm :中赤外領域
                 10μm〜1mm  :遠赤外領域
   Bオルフェールによると

      → 赤外領域:0.76μm〜1mm

   工業応用としては 0.76〜10μmで
                       0.76μm〜2μm:short IR
                       2μm〜4μm:medium IR
                       4μm〜10μm:long IR

  というように、いろいろな定義があることがわかります。

ご質問等は、気軽にreception@sankyou-kogaku.co.jpまでご連絡をお願いします。
 第1回 歴史、光の反射
 第2回 光の屈折
 第3回 光のスペクトル、光の色、物体の色
 第4回 光の干渉、回折、偏光
 第5回 単レンズの概要
 第6回 顕微鏡の光学系
 第7回 望遠レンズ、テレコンバータ
 第8回 写真レンズ
 第9回 レーザ光学系
 第10〜12回 プリズム
 第13回 回折格子
 第14回 位相板
 第15〜16回 収差
 第17〜18回 各種単レンズ
 第19〜21回 反射鏡系
 第22回 分解能について
 第23回 ファイバースコープ
 第24回 縮小投影露光装置:ステッパ(逐次移動式露光方式)
 第25回 光ピックアップ
 第26回 レーザプリンタ
 第27回 液晶プロジェクター
 第28回 レーザー加工装置
 第29回 加工用レーザの種類と特徴