(第17〜18回)


各種単レンズ
  @  フレネルレンズ
    屈折面が連続した球面ではなく、階段状に屈折角が異なった同心円状をしています。 
    一般にはアクリル樹脂を圧縮成形して造られます。
      古くは灯台のレンズとして用いられ、近年は、オーバーヘッドプロジェクターの照明
      用に使われています。フレネルレンズのない場合にはスクリーンの周辺部にかげりを
      生じますが、フレネルレンズを用いると周辺のかげりが生じなくなります。
  A  非球面レンズ
      2つの球面だけで構成された単レンズは必ず球面収差を持ちます。
      このような球面レンズで 構成することにより発生する性能悪化を防止するために、
      非球面レンズが使用されます。 非球面レンズの製造方法には、ガラスを研磨加工
      したもの、金型を用いてプラスティックや ガラスをプレスしたもの、ガラスでつ
      くられたレンズの面に薄い膜を構成するものがあります。
    非球面レンズは球面収差やコマ収差を極めて小さくできます。かつてCD用の対物
      レンズは3枚以上の球面レンズで構成されていましたが、現在は1枚の非球面レン
      ズが使われています。しかし、像面湾曲や色収差は補正できません。
    非球面レンズは、プロジェクションテレビレンズ、カメラやビデオカメラのズーム
      レンズなど多くの分野に使われています。
   
B 屈折率分布型レンズ
    これまでのレンズは、透明で一定の屈折率をもっていることを前提に話を
    進めてきましたが、レンズ中央部分の屈折率が周辺部分の屈折率よりも高
    くなっているレンズがあります。
    これは表面の形状は平面であってもレンズの作用をもちます。
    これをアレイ状に並べたレンズアレイは、複写機やファクシミリなどの
    事務用機器に多用されています。

    
C シリンドリカルレンズ
   
    円柱面をもち、一方向にのみレンズ作用するものがあります。
    半導体レーザ光は、発光部が薄層構造のために発光光束が円形光束にならず、
    2方向に広がり角度の異なる球面波となります。このため、円形ビームを作り
    出すためにはシリンドリカルレンズを用います。すなわち、楕円形のビームの
   1方向を拡大あるいは縮小することによって円形のビームを得るものです。

    
D トーリックレンズ
    
    円をその中心を通らない直線を軸として回転したときに生ずる曲面のことを
    トーリック面またはトロイダル面といい、そのような面をもつレンズを
    トーリックレンズまたはトロイダルレンズといいます。
    身近なものとして、タイヤやドーナッツの側面を思い浮かべてください。
    トーリック面を、回転軸を含む面と回転軸に直交する面で切り取った切り口は
    ともに円になりますが、それらの曲率半径は互いに異なります。

    したっがて、焦点距離も切り口によって異なり、非点収差を生じることになります。

  
    めがねには、このトーリック光学系が用いられます。乱視は非点収差をもつ眼のことで、角膜
  そのものをトーリック面として扱い、これをトーリックレンズで矯正するものです。
  第1〜16回の話も読みたい方、ご質問等は気軽に  reception@sankyou-kogaku.co.jpまでご連絡をお願いします。
 
  第1回 歴史、光の反射
 第2回 光の屈折
 第3回 光のスペクトル、光の色、物体の色
 第4回 光の干渉、回折、偏光
 第5回 単レンズの概要
 第6回 顕微鏡の光学系
 第7回 望遠レンズ、テレコンバータ
 第8回 写真レンズ
 第9回 レーザ光学系
 第10〜12回 プリズム
 第13回 回折格子
 第14回 位相板
  第15〜16回 収差